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2023年2月

2023年2月27日 (月)

運送業界の2024年問題なにが問題になるか?

働き方改革の推進により、2024年に施行される労働時間の制限についての規定は

2024年に中小企業も対象となります。

 

これにより、基本となる労働時間1日8時間以内、週40時間以内という原則を運送業界などでも守る必要がでるため

その影響が問題視されています。

そもそもの話になるのですが、運送業界は慢性的なドライバー不足が問題となっていて、トラックドライバーの高齢化がすすんでいます

また、荷主側の物流運用にあわせて運送手配をする関係上、トラック輸送は土日祝日365日停止することはできず

また、配送距離や配送先での荷さばき時間、前のトラックの荷さばき待ちなどの拘束時間などとにかく長時間の労働になりやすい業界です

一例として、東京→大阪間の輸送案件の場合、

荷主が午前中の到着を希望した場合、大型トラック輸送は高速道路を使用する前提で約6時間かかります

朝9時の到着予定で配車をした場合、遅くともトラックの出発は朝の3時には出発しないといけません

輸送前後の荷さばきに積込1時間、荷下ろし1時間の時間がかかった場合、あわせて8時間

1日8時間までの労働前提だと、ここでこのドライバーの1日の仕事は終了です

 

しかし、輸送トラックを空の状態で東京に戻す場合、トラックの帰り便にかかる時間は行きと同じで、かつ

使う燃料費も同様にかかります。

可能ならば帰り便にも荷物を満載させて帰ったほうがいいです。

ですので大概の長距離トラックは帰り便に荷物が積み込めるように事前に輸送先の荷主と調整をしておいたり

またスポット案件で向かった場合はその到着地でやはりスポット案件が発生していないか会社に確認をとります

そうこうして帰り便の荷物手配をしている時間まで労働時間に含めていけば、1日8時間での労働など不可能だということがわかります

 

これをふまえて対策を考えると、トラック運転手を増やした上、超過時間に対して正規の報酬をあたえ荷主に超過分の料金を値上げ分として徴収する事しかないのですが、おそらくですが2024年以降、こうした働き方改革の指導に従わず、いままでの通りの運賃、運用、ドライバーへの賃金体制で仕事をすすめる中小運送会社が沢山出てくるのではないかと危惧しています。

こうした労基に従わずに仕事を進める運送会社は、労基から是正勧告を受けると過去分のドライバーへの超過未払い給与の支払いや、是正後の仕事がままならなくなるなど経営を非常に圧迫する事態に直面して会社が維持できない状況になることが予想されます。

結果、その運送会社を利用していた荷主が輸送手段を失う事になり、これもまた業務上非常に困った状況になると思われます。

 

おそらくこうした事象が露呈するのは2024年当年ではなく、2~3年くらい経過した頃に

さまざまな物流輸送の停滞があちこちでポツポツと穴あき状態のように発生して初めて消費者の方々に実感として伝わるのではないかと思います。

2023年2月20日 (月)

パレットのことについて

我々物流事業者にはおなじみの物流マテハンであるパレット

 

大量の品物を運ぶ際に必須の部材ですが、意外に一般の人にはその大きさや仕様などほとんど知られていません

日本で使われる一般的なパレットは

大きさが1100mmX1100mmの正方形、厚みは144㎜ 材質はプラスチック(PP)製となります

我々がよくイチイチのプラパレと呼んでいる物がこのタイプであり

4t、10t車での移送時にダンボール箱で積み付けをします。

積み込む際にはこのサイズのパレットに150㎝~180㎝程度の高さで積むことが多いです

 

調べてみますと、国内でもっとも多く出回っているパレットはこのイチイチパレットなのですが

それでも全体の3割程度の使用率なのだそうです

国際輸送で使われる外国製パレットは1200X1000や1200X800など様々なサイズがあり

また国内の飲料メーカーが仕様している900mmx1100mmのビールパレットという独自規格の物も使われています

 

なぜ日本でつかわれるパレットが1100X1100の正方形なのか、1100という中途半端なサイズなのか

その経緯などについてはわからないのですが

利用した感じでは、国内で流通している梱包資材はこの1100X1100のサイズに最適化されたものが多く

パレット積み付け時に1面にサイズがぴったり収まるようになっている物が多いと感じます。

逆に外国製品は国内パレットに積みつける際、微妙に余ってしまったり、はみ出したりするケースが多いと感じます。

 

パレットに積み付けられた商品はトラックで輸送されますが

国内のトラックの荷室は幅が2300㎜~2400㎜がほとんどでパレット2枚を並列で置いたときに1100㎜でピッタリ

1200㎜だと並列で乗せられない物が多くなります

 

昔は木製パレットが多く使われていましたが、重く、雨に弱く、廃棄時にクギの除去など手間がかかるなどデメリットが多く

今はプラスチック製が中心です。

しかしこのプラスチック製も材質により、耐えられる荷物の重さに差があり、安価な物だと1t程度の荷物でも破損してしまう場合があり、手配時には注意が必要です。

 

 

2023年2月14日 (火)

回転寿司店に行ってみた

先日の日曜日

夕食に近くの回転寿司チェーン店に行くことにしました。

子供たちに夕食は回転すし店に行くことを伝えると「いかない!絶対行きたくない!」という激しい拒否反応

ネット上に出回る回転寿司店での問題動画の影響がとても強いようです

コロナ過という事情もあり非常に厳しい経営状況を続けていた外食産業の中で、回転寿司チェーンは売上が伸び続けていました。

安価で明瞭な会計方法と衛生的な食材の提供方法、大人も子供も自分の適量な食事量を好きな種類だけ注文できるスタイル

入店して座ればすぐに食べ始める事ができるという利便性、そしてお客の回転率

外食というジャンルの中で、食品を提供する形式としては極まったシステムだと思います。

子供達をなだめすかして回転寿司の店舗にいってみると、週末の夜なのにそれほど混んでいませんでした。

外食産業の中で無敵の強さと人気を誇った回転寿司が、たった1つの動画拡散でこれだけの影響を受けているという事にあらためて衝撃を受けました。

それよりも、ふだん回転寿司に行くときは喜んでついてきた子供達が「あんなところ行きたくない!」と言い出したという事実

お店のシステムと顧客の間の信頼がここまで崩れてしまう物なのかと感じました。

過去にも、食品関係では中国産の毒入り餃子事件や、雪印乳業食中毒事件、グリコ森永事件など世の中を震撼させた事件があり

その顛末で深刻な販売不振となったケースが多数発生しました。

顧客と企業の信頼を作るのはとても長い時間が必要で、失うのは一瞬なのだと改めて感じます。

2023年2月 6日 (月)

回転寿司テロ

回転寿司チェーン店で醤油さしをなめたり、回転している寿司にイタズラをしたりした動画をSNSに投稿して大炎上しています

回転寿司は安価に寿司を提供するために極限までオペレーション業務を圧縮してできた業態で

今回炎上したようなイタズラが発生する事を前提として作った仕組みではないと思います。

逆に言えば、回転寿司の形態で食品の提供ができるのは、利用する顧客が正しい食品衛生の認識と、他人に迷惑をかけない食事のスタイルを守るという事が前提としてなりたっていて、店全体の安全性や清潔感などは利用する顧客全員の意識も含めてという事になります。

今回のようなイタズラをする顧客が1人でも混じった場合、その他の顧客は回転寿司への衛生面や安全面について安心して利用できなくなるという事です。

実は、この状況というのはすべてのメーカー、物流、流通などの業務に当てはまる事でもあり

作業ラインの中に1人でも仕様を守らない、不真面目、適当、悪意ある行為をするこうした行動をする者がいれば業務全体が崩壊をします。

こうした事が起こらないように業務の中では行動に関する啓蒙や指導などを各社徹底しているのですが

外食チェーン店の、こうした回転寿司やビュッフェ形式など、顧客のモラルに運用システムの一旦を委ねる提供方式の場合、提供側がどんなに気をつかったとしても、顧客側が対応しなければシステムが崩壊します。

結果として、こうした安価に食事を提供する方法ができなくなり、不利益を受けるのはこうした悪ふざけをした者たちより、安価で安全でおいしい食事を享受できなくなった利用者という事になってしまいます。

今回の回転寿司の悪戯については怒りの声が大きく、ささいな悪ふざけなので謝罪して終わりという状況にしないという回転寿司店側の強固な姿勢も理解できます。これを許すと回転寿司の存続にかかわるからです。

安価なサービスを提供してもらうために提供してもらう側も協力する姿勢が必要な事もあるわけですね。

2023年2月 2日 (木)

世界的な半導体不足といわれつつ利益半減以下になる不思議

サムスン、営業利益69%減 半導体不振、10~12月期 - 大阪日日新聞
https://www.nnn.co.jp/dainichi/knews/230131/20230131042.html

 

 

半導体製造で世界一の売上を持つサムスン電子の第4四半期利益が

69%も下がったという報道がありました

大幅減益となった原因については景気後退による需要の落ち込みと書かれています

2022年はさまざまな産業で半導体不足による商品供給の遅れや値上げが報道されていました

半導体の提供がコロナ過による物流や生産過程での停止による遅れによって需要に対して対応できない状況が続いたことにより

世界中の様々な産業で影響がでています

半導体と一言で伝えられていますが、ICチップ、CPU、メモリなどおよそ日常生活で必要な機器には大概これら電子部品がつかわれていて

その製造のほとんどは、アメリカ、韓国、台湾などが中心となっています

かつて日本はこうした半導体の製造シェア50%以上だった時代があり、電子立国という言葉が90年代にありました

日進月歩で進歩を続ける半導体製造メーカーの競争から外れ、有効な設備投資や将来計画を怠った企業と、そうした状況に国でささえるような対応してこなかった当時の日本政府の見通しの甘さで今ではすっかりカヤの外といった状況になってしまいましたが

こうした産業の核となりゆる電子部品の製造について、自国で調達できる立場とそうでない立場が自国産業にとってどれくらいの差になるのかよくわかる事例だったと言えます。

それにしても、供給よりも需要の方が高い場合、その商品価値は需要が高い分値上がりして利益も増えると思っていたのですが

直近の状況では逆の結果が起きています。

半導体と一言でいっても様々な用途の製品があり、供給する為の設備や生産状況によっては、供給過多になっている物が発生しているようです

それくらい半導体ビジネスは産業全体の先を見通す目とそれに対する投資、回収を確実にするための計画ができていないとうまくいかない難しい世界なのだと思います

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