世界的半導体不足の実情
先日、メーカーの開発担当の方と半導体不足の状況についてお話を聞く機会がありました
世界的な半導体不足により、さまざまな製品の供給が遅れている状態になっています
一般的なパソコン、コンピュータ関係の電子機器だけでなく
家電や自動車、空調設備、住宅機器、照明器具などおそらく電気を使う機器についてはほぼすべてに半導体は使われていて
そのすべてが影響を受けているといって間違いありません
この半導体不足の状況、現場ではどうなっているのかお聞きしたところ
半導体が不足する、または実際に不足したという事態にともない
メーカー各社が今後の生産に影響がでないように通常在庫よりはるかに多い量を発注してストックしたそうです。
その大量発注による波動により、半導体生産は益々パンク状態になり納期はさらに遅れる事になりました。
さらに大量発注によって大量にストックされた半導体は在庫がなくなるまで次回発注がかからなくなるので
新しい製品を開発するにあたって本来切り替えられる半導体の仕様が大量の在庫を使用する必要があるため旧来仕様を使う前提での開発になったそうです。
また、半導体製造メーカーも、多種多様な半導体生産を平準的に行ってきたのが
大量発注の影響で生産スケジュールに波動ができるようになり、次回発注時にまた他社の大量発注とかみ合って納期が遅れるという悪循環になる事があるそうです。
こうした、大量発注による部品の物流が大きな波動となって動いてしまうのは
従来日本の生産現場が進めていたカンバン方式による在庫、物流管理の真逆になってしまい
部品在庫の保管コストや大きな波動発生による物流管理コストの上昇を招いてしまいます。
思い返せば、コロナ過が始まったばかりの頃、
市場のマスクが足りない事をうけて、大量のマスクを買い占める人が沢山でて余計に市場にマスクが流通しないという時期がありました。
東日本大震災の時もガソリンが不足した時期、また十分な燃料が車に残っているにもかかわらずガソリンスタンドに何時間も並んで燃料を満タンにする人が沢山いました。
必要な物が足りなくなる、不足するという状況が迫った時、買いだめに走るという行動が
全体の供給や物流の流れを著しく壊してしまうという実態があります。
本来ならこうした状況下でどこかで誰かが状態の整理をする必要があると思うのですが、まだそういった仕組みは日本にはないようです。
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