築地市場・豊洲への移転延期・・・なんでそうなる?
小池都知事の鶴の一声で、築地市場の豊洲移転は延期となりましたが
そもそもの話として、築地市場から新しい市場に移転をすることはわかるとして、
これだけ豊洲市場の建物としての使いづらさや、設計時点での配慮のなさが
今になってクローズアップされるのか。
色々な考えはあると思いますが、おそらく最も良くなかった点としては、
建てる側の仕事の進め方に対して、使う側の意見や参加意識が根本的に薄い
というところだったのではないでしょうか?
そもそも築地市場の閉鎖ということに対して、築地利用者は移転反対を声高に唱え
土壌汚染や市場混乱など様々な理由でここまで移転をのばしてきました。
これは現在の市場を使う立場として当然の権利ではありますが、
では、豊洲設計段階において、どれだけ現在の市場の人たちの声が反映されたのか
甚だ不明だと思うのです。
建築業界は納期、スケジュールで動きます。他の仕事もそうですが
資材の仮置き、輸送のコスト、作業員の手配など、
スケジュールから遅れてよいことなど建築の世界では無いわけです。
お上からのゴーサインをこれまた幸いと、市場の人たちの意見を聞くまもなく
設計に進んでしまったのではないでしょうか?
市場内のクローズ化、保冷化などの都が考える次世代の市場の基本構造はできても
設計側としては、作るのはプロでも市場の仕事のことでは素人ですから
できあがりが現市場の人たちの賛同を得ないのもやむないと思います。
結局、非常に沢山の人たちの尽力の末、長い年月をかけて、非常に無駄なお金が
つかわれるという、民間企業ではありえない(でもこの国では本当によく見かける)事態に
なっています。
せめて、新市場がクローズ型であったとしても、レイアウトが現在の市場に近い
1階平場が広大に使える構造だったらよかったのでしょうが・・・
東京オリンピックも同じようなことの繰り返しになりそうですが、
せめて、何か建物を作るときは、使う人の意見を最大限に反映した物に
しなくてはいけません。
反対ばかり声高にならずに、新しい施設はこうあるべきという声も沢山上げていくべきでしょう。
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